丹波篠山市立西紀北小学校の校区である西紀北地区は、丹波篠山市の北部に位置し、多紀連山県立自然公園を南東に臨む風光明媚なところにあります。県道丹南三和線のつづみ峠は、シャクナゲとサクラの名所としても知られ、分水嶺をなし、北へ流れる由良川の源流となっています。校区内には、306戸、692名(令和3年9月現在)が住み、米作りや茶、小豆、栗などを生産する第2種兼業農家が多く、市内や福知山市、京阪神等への勤務もあります。
近年過疎化が一層進み、高齢者の割合が41.5%に達しています。しかし、その対策として市営住宅の建設やグランドゴルフ場、ゴルフ場、温泉、農園等の観光開発が進み、就労の増加にもつながっています。地域の人々は、連帯感や人間関係が強く、人情味豊かな心の温かい土地柄です。学校教育に対しても関心が高く、学校・家庭・地域の協力・連携体制が整った地域です。
本校は、明治9年に草山小学校として創設され、平成28年に140周年を迎えました。令和4年度は児童数31名の小規模校です。また、本校はへき地校1級の指定を受けています。令和4年度の研究主題は「主体的に学び、高め合う児童の育成をめざして」を掲げ、特に少人数の特性を生かした算数の授業づくりとICT活用の研究をしています。また、本校独自の学力向上を支える取組(北っ子検定、スピーチタイム、朝のスキル学習・読書、ふれあい読書、放課後学習等)を北っ子メソッドと名付け、職員全体で共通理解を図りながら推進しています。特に、平成18年度には、平成18年から19年度兵庫県小学校算数科教育研究部会の指定を受けた研究発表会を開催し、多くの参観者を得、児童の自信と指導の成果に高い評価をいただきました。
また、地域学習や体験活動を通して、ふるさと草山に誇りを持つ子の育成にも努めています。さらに、40年近い伝統を持つ体育発表会や縄跳び大会、「緑の少年団活動」なども推進しています。
本校児童は、明るく、純真、素朴な性格の子が多く、学校行事や諸活動に意欲的、積極的に取り組みます。上級生と下級生、男子と女子の仲がよく、協力と思いやりの心で結ばれています。身体を動かすことを好み、運動能力に優れ、より高い目標に向かって技能を高めようとする努力を惜しまない子どもたちです。しかし、全校児童も少なく、学習・生活集団が固定化されているために、意見をたたかわせたり、お互いに切磋琢磨することに乏しいところが見られます。そのような点を「スクールブリッジ事業」等の学校間連携事業で改善すべく取り組んでいます。
平成24年7月には、草山郷づくり協議会をはじめとする関係団体や育友会、学校とが連携した「あいさつ日本一の草山地域」を目指す啓発イベントを実施しました。学校においては、児童会を中心とした縦割り班での活動をしたり、子ども達が作成したあいさつポスターを地域の集会所等に掲示したり、積極的なあいさつ運動を展開しています。
本校は、より開かれた学校づくりと保護者・地域の参画と協働をめざし、学校教育目標「ふるさとに夢や誇りを持って 未来の創り手となる北っ子の育成」の達成にむけ、力強く前進しています。