丹波篠山市立西紀北小学校の校区である西紀北地区は、丹波篠山市の北部に位置し、多紀連山県立自然公園を南東に臨む風光明媚なところにあります。県道丹南三和線のつづみ峠は、シャクナゲとサクラの名所としても知られ、分水嶺をなし、北へ流れる由良川の源流となっています。校区内には、304戸、647名(令和7年3月現在)が住み、米作りや茶、小豆、栗などを生産する第2種兼業農家が多く、市内や福知山市、京阪神等への勤務もあります。
近年過疎化が一層進み、高齢者の割合が高くなっています。しかし、その対策として市営住宅の建設やグランドゴルフ場、ゴルフ場、温泉、農園等の観光開発が進み、就労の増加にもつながっています。地域の人々は、連帯感や人間関係が強く、人情味豊かな心の温かい土地柄です。学校教育に対しても関心が高く、学校・家庭・地域の協力・連携体制が整った地域です。
本校は、明治9年に草山小学校として創設され、平成28年に140周年を迎えました。令和7年度の全校児童数は26名で、へき地校1級の指定を受けています。
本校児童は、明るく、純真、素朴な性格の子が多く、学校行事や諸活動に意欲的、積極的に取り組みます。上級生と下級生、男子と女子の仲がよく、協力と思いやりの心で結ばれています。身体を動かすことを好み、運動能力に優れ、より高い目標に向かって技能を高めようとする努力を惜しまない子どもたちです。しかし、全校児童も少なく、学習・生活集団が固定化されているために、意見をたたかわせたり、お互いに切磋琢磨することに乏しいところが見られます。そのような点を「スクールブリッジ事業」等の学校間連携事業で改善すべく取り組んでいます。
緑の少年団など、地域学習や体験活動を通して、「ふるさと草山に誇りを持つ子の育成」にも努めています。また、40年近い伝統を持つ学校行事「体育発表会」、「縄跳び大会」があります。これらの発表会で披露する鉄棒やなわとびの技のレベルの高さは本校の自慢の一つです。
学習面では、以前から少人数の特性を生かした算数の授業づくりに取り組んでいます。平成19年度には「兵庫県小学校算数科教育研究部会」の指定を受けた研究発表会を開催し、「子どもが主体的に学ぶ授業」を参観した多くの先生方から指導の成果に高い評価をいただきました。
平成24年7月には、草山郷づくり協議会をはじめとする関係団体や育友会、学校とが連携した「あいさつ日本一の草山地域」を目指す啓発イベントを実施しました。学校においては、児童会を中心とした縦割り班での活動をしたり、子ども達が作成したあいさつポスターを地域の集会所等に掲示したり、積極的なあいさつ運動を展開しています。
令和5年10月には、姫路で行われた「全国へき地教育研究大会兵庫大会」全体会のアトラクションで、本校児童が「学校紹介」をしたり、「丹波篠山デカンショ節」を踊ったりして、草山地域、そして丹波篠山市を大いにアピールしました。
令和6年度には、兵庫県へき地・複式教育研究大会の研究指定校として、「自ら考え 伝え合って学びを深める 児童の育成」の研究テーマを掲げ、子どもが主体的に取り組む算数科と授業と、他校との遠隔授業を公開し、高い評価を得ました。
本校は、より開かれた学校づくりと保護者・地域の参画と協働をめざし、令和7年度学校教育目標「一人一人が輝き こころ豊かで たくましい 北っ子の育成」の達成にむけ、力強く前進しています。